感情との付き合いかた その④で、感情を言葉で表すことについて触れましたが、感情を言葉にするときには、とりこぼしてしまうもの、こぼれ落ちてしまうものが必ずあります。
大切な感情ほど、言葉にならないものかもしれません。
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なので、本当は、感情を言葉で表すときには、できる限り慎重になって、感情にぴったりくる言葉を探しながら話せるといいのです。
私たちは、誰かに向けて話すという行為にあまりに慣れすぎてしまって、「自分のために話す」ということをおろそかにしています。
言葉と感情の乖離が大きくなりすぎると、私たちは、自分を見失ってしまいます。自分が何者なのか、わからなくなってしまうのです。
どう言えば相手に伝わるか、ということを考えて、言葉を選びがちですが、実はコミュニケーションにおける言語情報の割合は、7%ほどしかないことが、ある研究から明らかになっています。
これを、メラビアンの法則と言います。
口調や話すペースなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%を占めます。
つまり、人は相手が何を伝えようとしているかを読み取るとき、言葉よりも、見た目や話し方などのノンバーバルな情報を重視しているのです。
「怒ってない」と目線を合わせず、冷たい声で言えば、人は相手が「怒っている」と受け取るのです。
それなら、もっと自分のために言葉を選びたい。
感情と言葉の距離が近づくほどに、私はより私らしく、自分を表現できるようになると思うのです。