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emotion laboratory

感情は人生の羅針盤

感情をコントロールする、よりも大切なこと

スマートフォンからこのblogを見ると、「感情をコントロールする」という広告が出てきます。
こういう言葉が、人の目を引く、ということはつまり、それだけ多くの人が「感情をコントロールするのは難しい」と感じているということです。

感情をコントロールするための本は、たくさん出ています。
ですが、コントロールする、ということから入らずに、自分の感情や、感情の発信基地である自分自身の身体と、もっとコミュニケーションをとろう、もっと自分について知ろう、という気持ちで、こうした情報を利用なさるといいと思います。

Don't think. Feel. とは、ブルース・リーのような格闘家の極意ではなく、いつも私たちのそばに息づいている、生きる知恵です。
感情をコントロールする近道は、考えることより、感じることです。

おうちに小さい子どもでもいないと、どうしても思考と言葉優位の生活になりがちです。
ですが、人間も他の生き物と同様、感覚や感情から多くの情報を得て、命をつないでいます。
触れること、聞くこと、見ること、味わうこと、香りを嗅ぐこと。
外の世界のものたちと、私たちの心身は常に響き合っています。
それは、快・不快といったとても原初的な、言葉にならない感覚かもしれません。
頭で考えることから、心と身体で感じることへ、比重を少し移してみる。
それだけで、ふっと肩の力が抜けるのを感じられるかもしれません。

絵を描いたり、土に触れたりすることも役に立ちますし、いつもより食事をよく噛んで味わって食べるとか、イヤフォンを外して道を歩くだけでも、「感じる」アンテナの感度がよくなると思います。

本を読まれるなら、絵本もいいですし、不思議と身体の感覚に訴えかけるような文章や、そこに書かれている風景や気持ちのなかに、すぅっと入り込んでいけるようなものがいいかもしれません。

こう書きながら、思い浮かんだ3冊をご紹介します。

感覚の幽(くら)い風景 (中公文庫)

感覚の幽(くら)い風景 (中公文庫)

鷲田清一氏の本は、どれもおすすめです。皮膚感覚に近いところで、言葉を紡ぐ方です。
大泉洋さんのエッセイは、とにかく、心にきます。彼の感情の豊かさが、響いてくるのだと思います。

それから、絵本ではありませんが、今日のテーマにぴったりな、この写真集もおすすめです。

ことばはいらない 〜Maru in Michigan〜

ことばはいらない 〜Maru in Michigan〜

ことばはいらない。
ほんとうに、美味しいものを食べたとき。
ほんとうに、心が動いたとき。
ほんとうに大切な瞬間に、私たちは、言葉をなくすのです。

感じることだけになったとき、人は「ほんとう」の、特別な瞬間を体験できるのです。