Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

「感受性が強くていいことってありますか?」という質問から考えたこと。

カウンセリングをしていると、クライエントからいろんな質問を投げかけられる。 「感受性が強くていいことってありますか?」 最近、複数のクライエントから立て続けにこう尋ねられた。 肩を小さくすぼめながら、苦笑しながら、また時には涙ながらに発せられ…

相手の魅力を見つけるのも、カウンセラーの仕事。

カウンセラーの仕事、あるいはカウンセリングと聞くと、人の悩みに寄り添う、話を聞くことで楽になってもらう・気づきを促進する、あるいは、精神疾患を抱える人の治療をするといったイメージが強いかもしれません。 でも、カウンセラーとして、実際にやって…

心理職養成の大学院教育あれこれ:SVシステムについて

自分が若手ではなく、もはや中堅と呼ばれる立場であることを、学会で顔なじみの先生方からつっこまれ、「中堅」などというぶかぶかの上着に袖を通してみたのは昨年のこと。心理臨床の世界では、いわゆる「若手」や「初学者」は臨床経験5年目くらいの臨床家を…

若手時代に受けたSV(スーパーヴィジョン)と、臨床家として生き残ることについて。

臨床心理学専攻の修士2年だった頃。 あるゼミが年に1回主催する合宿形式の事例検討会で、事例を出してみないかと先輩から声をかけられた。 スーパーヴァイザーは、九州在住の著名な精神科医、K先生で、この年1回の事例検討会は、その先生の名前をとってKカン…

夢見る力を育むという対人援助のあり方:コーチング理論から学ぶこと

(最初に:はてなスターやコメントをなぜか返すことができない事態になっています。 ゆずりはさん、すみません。コメントありがたく拝見しています。自己一致の感覚、自分が自分であるという感覚、いつも深いところで理解してくださって、ありがとうございま…

本音と建て前の境界線:本当の自分、自己一致について

心理療法やカウンセリングを学んで実践していると、「本当の自分」や「自己一致」という言葉に出会うことがある。 クライエントからも「これが本当の自分なんだ」という言葉が出ることがあるし、自己一致は来談者中心療法の創始者、カール・ロジャースが提唱…

「弱さ」に歩み寄る:女性からは見えづらい男性の「弱さ」

男性は、恥を怒りで覆い隠す。 女性は、怒りを悲しみで覆い隠す。 二次感情について説明するとき、こんな例を出すことがあります。 個人の感情の感じ方や表し方には、社会や家庭の文化が個人に求める性役割が影響を及ぼしているのです。 これを聞いた女性か…

自分への愛情、優しさ、いたわりが必要な理由:ポジティブ感情とwell-being

最近、いろんな企業が、こころに注目し始めているような気がします。 大切な人への感謝や愛情を示すことで、身体が温まるというPanasonicの実験動画。 LOVE THERMO 愛してるで暖めよう WarmUpWithLove 自己肯定感を高めようという女性へのメッセージを込めた…

感情を表すこと・感じること

大学院の授業で、学生さんたちに、次のような課題を出しました。 「映画、動画、本、小説、歌、詩などの媒体を用いて、感情に関する授業で学んだことを解説するプレゼンテーションを行ってください」 グループごとに、全部で5つの発表が見られましたが、ど…

考えすぎてしまう人へ:不安やつらい状況への対処パターンとしての「考え癖」

カウンセリングをしていると、自分の体験や自分の気持ちから離れて、「ああでもない、こうでもない」と考えるクライエントに出会います。 そんなときは、カウンセラーとしての私の胸には、ふたつの思いがあります。 一つは、「頭で考えることから、心で、身…