Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

感情はないほうが幸せか:映画ロスト・エモーション

胸が張り裂けるような悲しみ 自分ばかりでなく他の誰かをも傷つけてしまいそうな怒り 存在価値、存在意義、存在に対する承認を奪われたような恥 終わりのない憎悪 骨が砕けるような孤独 こうした感情に耐えられる人は多くありません。 「感情なんてなくなっ…

日本語とこころ。

言葉が滅びるとき、文化もまた滅びる。 そんな話を聞いたことがあります。 文化と言うと大袈裟ですが、その言葉が示す生き方・態度・姿勢が失われていくという意味では、小さな文化的な死ということもできると思います。 心の持ち方や人が変化していくプロセ…

毒にも薬にもなる?:議論を呼ぶうつ病治療の試み

マジックマッシュルームに含まれる成分、シロシビン(psilocybin)を、うつ病の治療に活用する。 そんな画期的ではありますが、議論を呼びそうな研究がロンドンで行われました。 time.com アメリカの抗うつ薬と言えば、プロザックが有名ですが、プロザックが…

犬のココロ。

犬は、飼い主に冷たくした人からの餌は食べない。 これは、とても興味深い研究結果です。ちなみに、京都大学で行われた研究でした。 time.com この結果は、犬に、人(飼い主)が置かれた心理社会的な状況を理解する能力が備わっていることを指します。 ただ…

身体が語ること

相手の感情を読み取ろうとするとき、私たちは相手の表情に注目します。 それはもちろん有効な手段ですが、こちらの記事では、とても強い感情を、私たちは、表情よりも身体の動きで表していると指摘されています。 healthland.time.com 研究者たちは、強い感…

脳画像から感情を読み取る

脳画像から、感情を読み取る技術は、近年目覚ましい発展を遂げています。 脳神経科学の進歩と感情理論の発展は切っても切れない関係にあり、感情がどのように働くかを知るために、脳神経科学研究の知見は、欠かせないものになっています。 今回は、カーネギ…

依存症と気質の関係について

三つ子の魂百までという諺が、日本語にもありますが、ニュージーランドで行われたある研究では、3歳のときの様子を観察することで、その子が30代になったときに、薬物やギャンブルへの依存症に陥る可能性を予測できるという結果が示されました。 healthland.…

セラピーに必要なストレス?

あらゆる心理療法には、それぞれの強みと弱みがあります。 そのため、ひとつの流派のやり方にこだわらず、いくつかのアプローチを併用したり、組み合わせたりしてクライエントとともに問題解決を目指す、統合的あるいは折衷的な立場をとる心理療法家も少なく…

表情に普遍性はあるのか:P.Ekmanへの疑問符

Paul Ekmanという心理学者は、表情で表される感情は、文化や国籍を越えて共通していることを明らかにしましたが、近年では、この説に異論を唱える研究もみられています。感情の表出は、文化的な影響を大きく受けるというのです。 time.com この記事では、ナ…

動物から学ぶ感情:猫のコミュニケーション・スタイル

感情は、特定の機能と役割を有し、進化の歴史を生き残ってきました。 中でも大切な機能と役割のひとつは、“つなぐ”という働きです。 共生的な関係や信頼関係を築く上では、相手の感情を読み取ったり、自分の感情を相手に伝えたりといった感情の相互交流が欠…