Talk to Your Heart

〜自由が丘カウンセリングオフィスのblog〜

表情に普遍性はあるのか:P.Ekmanへの疑問符

Paul Ekmanという心理学者は、表情で表される感情は、文化や国籍を越えて共通していることを明らかにしましたが、近年では、この説に異論を唱える研究もみられています。感情の表出は、文化的な影響を大きく受けるというのです。 time.com この記事では、ナ…

動物から学ぶ感情:猫のコミュニケーション・スタイル

感情は、特定の機能と役割を有し、進化の歴史を生き残ってきました。 中でも大切な機能と役割のひとつは、“つなぐ”という働きです。 共生的な関係や信頼関係を築く上では、相手の感情を読み取ったり、自分の感情を相手に伝えたりといった感情の相互交流が欠…

被災後の心のケアに関する情報提供

熊本地震からひと月以上が経過しました。 心のケアの必要性に関する報道も、目立ち始めたような気がします。 headlines.yahoo.co.jp あれほど大きな災害を経験したのですから、心に変調をきたすのは、むしろ自然なことです。心の変調は、身の安全が確保され…

涙の科学 その3

涙の謎に迫る、こちらの記事のまとめの最終回です。 time.com その1・その2では、涙が何に由来するのかに関する理論の変遷や、涙の役割と機能に関する研究知見について、ご紹介してきました。 emotion-lab.hatenablog.com emotion-lab.hatenablog.com 最後に…

涙の科学 その2

ヒトはなぜ、感情による涙を流すのか。涙の持つ進化論的意味とは何か。 涙に関する記事の第2弾です。 emotion-lab.hatenablog.com 素材となっているのはこちら。 time.com ヒトはなぜ泣くのか。こちらの本に、8つの理論が紹介されています。 科学的に立証す…

涙の科学 その1

人はなぜ泣くのか、そして、なぜまったく泣かない人もいるのか。 涙の謎に迫った、とても興味深い記事です。 time.com 進化論の祖、チャールズ・ダーウィンは、感情を伴う涙を“目的のないもの(purposeless)”と主張しましたが、それからおよそ150年の時を経…

嘘は知性と想像力で磨かれる:嘘と認知的負荷(cognitive load)

先日、ご紹介した嘘に関する記事では、嘘をつくことにより、罪悪感などの感情的負荷がかかることが指摘されていました。 emotion-lab.hatenablog.com 一方、嘘をつくときには、辻褄を合わせる必要があったり、ついた嘘を自分で覚えていなければいけないとい…

オプトジェネティクスによって解き明かされる感情と記憶の関係

もし、嫌な記憶を消す方法があるとしたら、試してみたいと思いますか? (まるで、『世にも奇妙な物語』の冒頭のセリフのようですが) time.com 記憶には、思い出のように過去のアルバムにきちんと収まるタイプのものばかりではなく、例えばトラウマ記憶のよ…

嘘を語る唇、真実を語る瞳

目は口ほどにものを言う、という諺もあるように、時に私たちは、姿勢、仕草、表情、まなざしなどによって言葉より多くを語ったり、唇には嘘を乗せ、瞳に真実を映し出したりしています。 今回の記事では、相手の本心を見抜く方法が紹介されていました。 ポイ…

動物たちの情動システム:テンプル・グランディンの著作から

近年、心理学の領域では、感情を生存や適応のためのシステムとみなすことが一般的になりつつあります。 ヒト以外の動物についても、この“情動システム”という考え方は、もちろん当てはまります。先日もご紹介したこちらの本には、動物の情動システムについて…